出版物の紹介
ノンフィクション・社会一般
定価 | 1,800円(税別) |
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判型 | 四六判・340ページ |
発刊 | 2024年11月 |
ISBN | 978-4-907717-14-8 |
北海道の学校は遠足先でジンギスカンをつくって食べる「炊事遠足」を行い、秋田県ではきりたんぽ鍋の「なべっこ遠足」を楽しみます。千葉県では朝の出欠確認で生徒は「はい、元気です」「はい、風邪気味です」などと返事をします。また、黒板消しを「ラーフル」、騎馬戦を「川中島」、穴が開いた靴下を「じゃがいも」とか「おはよう靴下」と呼ぶ県・地域もあります。そうした“へぇ~”も含めてそれぞれの学校の伝統的な雰囲気、行動様式、行事、生徒の服装やスタイル……人間に生活習慣があるように、学校にもあるそのようなものが「学校文化」です。
定価 | 1,800円(税別) |
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判型 | 四六判・200ページ |
発刊 | 2023年12月 |
ISBN | 978-4-907717-23-0 |
2024年7月に発行される新1万円札の顔、渋沢栄一の経営哲学は企業性善説を前提とした道徳と経済の両立だ。こうした渋沢イズムが戦後の経済発展を支えた日本型経営システムの原型となった。しかし、バブル崩壊に対応できなかった日本型経営は1990年代に失速し30年以上も低迷、GDP(国内総生産)は世界2位から4位に転落した。さらに日本を代表する大企業が試験データの改ざん、業務委託料の水増し請求などの不祥事を続発する。これでいいのか!
40年ぶりの新1万円札発行で注目されるこの機会に渋沢イズムに新しい時代の光と風を当て、それを軸にして地球の限界と折り合える新しい経営システムを構築する――それに渋沢資本主義を創り上げた日本企業が率先して取り組むべきではないか。
定価 | 1,600円(税別) |
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判型 | 四六判・152ページ |
発刊 | 2023年9月 |
ISBN | 978-4-907717-35-3 |
定年を前にして著者は「犬を飼いたい」「どうせなら社会のお役に立つことを」と盲導犬繁殖犬飼育ボランティアを引き受ける。盲導犬繁殖犬とは盲導犬の母親・父親になる犬だ。飼育に備えた訓練を受けた後、1歳のオスのラブラドールレトリバーと対面する。
「ぬいぐるみを地面に置くと、弾けるように走り出しました。全身で喜びを表し、尻尾を思い切り振って駆け寄ってきます。チッパーでした」
血統の多様性のためはるばるアメリカから来たチッパーは、この時すでに体重20kg(現在38kg)。元気すぎる個性の持ち主でリードを引きちぎり、ネコや野鳥に突進する。ジム通いを欠かさず体力に自信がある著者も一歩も引かず、飼いネコのマリーがうろうろ……。
飼育2年目にようやく繁殖の仕事が入り、計17匹が生まれたが、うち盲導犬になれたのは1匹だけ(候補の子犬のうち盲導犬になれるのは3割ほど)。次の繁殖のお呼びがかからなくなった“落ちこぼれ”チッパーに、筆者はエリート街道を歩けなかったのはオレと同じと限りない親近感を覚える。
相棒との7年余の豊かな時間……早朝ジョギングなど朝夕の散歩で脚力はアップし腹回りは5cmも減った。何より夫婦で役割分担して飼育に取り組むことで家庭内も安定、妻からは「チッパーがいなければどうなっていたかしら。チッパーさまさまね」と言われている。そんな順風満帆な暮らしに突然の“暴風”が……。
盲導犬育成は多くの善意で支えられている。候補の子犬を自宅で育てるパピーウォーカー、盲導犬になれなかった犬を飼うキャリアチェンジ犬飼育ボランティア、引退した盲導犬を世話する引退犬飼育ボランティア、そして盲導犬繁殖犬飼育ボランティアなどだ。国内では11団体が盲導犬を育成し、計約850頭が活躍しているが、盲導犬を希望する視覚障害者は約3000人でまったく足りていない。さらに法律で公共の場での盲導犬同伴が認められているにもかかわらず、毎年、盲導犬ユーザーの半数近くが「受け入れ拒否された」としている。こうした数字ではなく、著者の実際の飼育体験を通じて盲導犬への理解を深め、定年後について考えるきっかけにしてほしい。