つれづれ
『私はカーリ、64歳で生まれた』の著者・カーリさん、日本テレビのニュース番組で特集 平和への思い、切々と 愛することの大事さを伝える
『私はカーリ、64歳で生まれた』(海象社刊)の著者で、2024年4月に来日して心に残る講演をしてくれたカーリ・ロースヴァルさんが25年3月26日の日テレ「news every.」の特集企画で取り上げられました。来日時の元気な笑顔は変わらないカーリさん、「戦争の悲劇を繰り返してはならない」と真剣に訴えていました。
「『ヒトラーの子』に生まれて…生存者の証言 生命の泉計画とは」と題された戦後80年企画をまとめたのは日テレロンドン支局の鈴木あづさ支局長。番組について、「第二次世界大戦中、ユダヤ人約600万人を含む多くの人々を迫害・虐殺したナチス・ドイツ。その一方で“理想的なドイツ人”を数多く育てる計画が進められていたことは、あまり知られていません。その計画に翻弄された女性を取材した」と説明。アイルランドの首都ダブリンに住むカーリさんの自宅を訪問して、話を聞いています。
カーリさんは、ドイツが占拠したノルウェーに設置されたレーベンスボルン(生命の泉)施設でノルウェー人の母親とドイツ兵の間に生まれました。スウェーデンの孤児院から養父母に育てられ、成人後に生みの母に会いに行ったが本当のことは教えてもらえないまま。真実が分かったのはアイルランド移住後に歴史研究者に偶然会ったことからで、64歳になっていました。「郵送されてきた自分の赤ちゃん時の写真をその時初めて見たけど、とても悲しそうな眼でした。抱きしめられることも話しかけられることもなかったからでしょう」「戦争が母を変え、破壊したのです。母も戦争の被害者でした」と語り、「戦争で犠牲になるのはいつも女性と子どもたち。いま大事なことは愛することです」と訴えていました。
番組ではカーリさんが夫スヴェンさんと散歩したり、母の遺品のおしろいをつける様子を紹介。80歳になった今も、日本滞在中にも見せてくれた愛情たっぷりの表情は変わっていませんでした。鈴木支局長は「取材中もこまやかな心遣いを示してくれました。辛い境遇を乗り越えたから人だからこその、強さと優しさを感じました」と話していました。
特集ではアウシュビッツを生き延びたユダヤ人男性、杉原千畝の「命のビザ」で救われたユダヤ人女性も登場、“生き証人”の貴重な証言から、戦争や人権侵害につながるような今の動きに警鐘を鳴らしています。 放送は終わりましたが、以下の番組Webで公開されているので、ぜひ見てください。
番組のサイトはこちら。
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来日時、学校で生徒たちに話すカーリさん(2024.3)