つれづれ

渋沢翁の新1万円札 「ニッポン元気復活!」に期待

2024.7.8

 日本資本主義の礎を築いた渋沢栄一が“顔”となった新1万円札が7月3日発行され、早速入手した。銀行(みずほ)に行くと、「新1万円札は両替機をご利用ください。ただし10枚まで」。新1万円札は「10000」の字が旧札の「壱万円」より数倍大きくて分かりやすい。また左側にある3Dホログラムは角度によって渋沢翁の顔の向きが変わり、花びらが見え隠れする。津田梅子の新5千円札、北里柴三郎の新千円札は行内カウンターで両替してもらった。いずれも色調(1万円札は茶色、5千円札は紫色、千円札は青色)は旧札と同じだが、数字が大きく見やすくなっている。

初めて1万円札が登場したのは高度成長期を迎える直前の1958年(昭和33年)で、その顔には十七条憲法で知られる聖徳太子、2代目『学問のすすめ』の福沢諭吉になったのは1984年で、渋沢は40年ぶりの3代目だ。明治、大正、昭和を駆け抜けた渋沢は500を超える企業の創設にかかわり、その多くは今も日本経済や私たちの生活を支えている。ところで新札3種登場の経済への影響はどうだろうか? 日経平均株価を見ると発行前日7月2日は前日比443円高と3カ月ぶりに4万円台を回復した。当日の3日も4営業続伸で500円以上アップし、翌4日の終値は40,913円と史上最高値を更新、“新札発行ご祝儀”相場となった。その一方で6月に発表された実質賃金(厚生労働省の毎月勤労統計調査)は25カ月連続のマイナスとなるなど物価高が暮らしを直撃している。

アメリカに次ぎGDP(国内総生産)世界2位を誇った日本経済はバブル崩壊後長期低迷に苦しんでおり、GDPでは昨年ドイツに抜かれて4位転落、数年後にはインドにも抜かれるのは確実とみられている。試験データ改ざん、不正請求など大企業の不祥事も相次いでおり、道徳と経済の両立を求めた「渋沢イズム」による日本経済復権が切実に求められている。詳しくは『渋沢イズムでニッポン元気復活!』(三橋規宏著、海象社2023年刊)を参照してください。

ところで2千円札(2000年発行)はとんと見かけないのですが、どうなっているのでしょうね?

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