つれづれ
カーリさん、ジュンク堂池袋本店でも熱く訴え
2024.4.29
2024年4月下旬に来日した『私はカーリ、64歳で生まれた』の著者、カーリ・ロースヴェルさんは4月22日、ジュンク堂書店池袋本店(東京都豊島区南池袋)でも講演、幼少期の辛い思いを語り「こうしたことが繰り返されてほしくない」と訴えた。
同店9階イベントスペースには学生や主婦ら約40人が参加。カーリさんは、第二次世界大戦中、ナチスがアーリア人増殖計画のために占領地・ノルウェーにつくった育児施設「レーベンスボルン(命の泉)」で生まれたが、「生後10日で母親と引き離されて、ドイツ国内のレーベンスボルンに移送された。母親はノルウェーの女性、父親はナチス親衛隊員だった。こうしたことは隠され、64歳の時に書類が送られてきて初めて知った」と話した。ドイ敗戦に伴い赤十字の白いバスで救出されたが、ノルウェーは「ドイツ人の血が流れている」と受入れを拒否、スウェーデンの孤児院に送られた、とナチスの歪んだ人種政策に翻弄された当時を語った。
著書にある通り、その後、スウェーデンで牧場を営む養父に引き取られて豊かな自然の中で育ったこと、学校で偏見を持った先生たちのいじめにあったが同級生は親切にしてくれたこと、就職を機に始めた自分の実の両親探しなどを表情豊かに話した。参加者からは「そんなつらい過去なのに、明るいカーリさんに励まされた」などの声が出された。