つれづれ
『エコなお家が横につながる』の著者・小林さんから
(東京大学先端科学技術研究センター、小林光研究顧問の部屋「折々のニュース」から転載しております)
環境の日(6月5日)に合わせて、「エコなお家が横につながる」という140頁ほどの小著を上梓しました。海象社のブックレットの、これから始まる新シリーズ「エネルギー使いの主人公になる」の第1号です。
この本では、前半は、拙宅羽根木エコハウスでの21年間の実践を踏まえた節電などのコツや効果を紹介し、後半では、私が訪問した内外の取り組み、とりわけ配電網のレベルで再生可能エネルギー起源の電気をできるかぎり受け入れるために努力をしているいろいろな事例を見学させていただき実感したことを報告しています。そして、最後に、ユーザー本位のエネルギー政策を実現して脱炭素を果たすことに向けいくつか提案をさせてもらいました。具体的には、再生可能エネルギーを生活者が融通し合えるようにすることを訴えました。エネルギー自立ハウスをたくさん作るより効率的だと思うのです。
生活者の手探りのエネルギー読本ですが、私としては、エネルギー専門の学者さんに多い、既存の電力システム全体の擁護を前提に、その変更をコストとしてとらえてお話しをする方々への批判、そして、頼みの環境派の学者さんでも、「ではの守」よろしく、外国の優良な取り組みの紹介に終始する、上から目線の方が多いことへの残念感が強くて、暮らしからのボトムアップの発想を大事にして執筆してみました。
ややもすれば普通の市民は、エネルギー・スルーです。本書を読んでいただき、エネルギー環境政策が市民の手の届くものになることを期待しています。お力を貸してください。
(小林光:東京大学教養学部客員教授、元環境省事務次官)
「エコなお家が横につながる
エネルギー使いの主人公になる①」
小林 光 著
定価 1,000円(税別)
判型 A5判・140ページ
発刊 2021年6月
ISBN 978-4-907717-65-0
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